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茂原市教育委員会「茂原市の文化財」平成3年版より
所在 茂原市内沖積平野の地表下4m付近に広く分布
茂原貝層とは、かつて九十九里の海が、今の平地の部分から谷間にまで入り込んでいた頃の古九十九里の海底に、川の流れや潮流の働きなどで堆積した砂層につけられた地層名である。この地層は今から約5000年前ごろから徐々に堆積したと考えられている。
この地層からは、当時の海底に生息していた、ハマグリ、アサリ、カキ、キサゴ、アカガイなどの貝化石が密集して出てくることから、茂原貝層と呼ばれている。
貝化石の種類は約30種、ほとんどが潮間帯から浅海に現在も生息している種類である。平地の部分の地下数メートルのところには広く分布している。貝化石の種類や産状から、当時の海は海岸からごく近い淡水の流入する湾奥の様な浅海で、潮の満干があり、潮流の変化が激しい海であったと考えられる。