最終更新日:1999年3月26日

 

茂原市教育委員会「茂原市の文化財」平成3年版より


市指定昭和57年3月30日指定
 野本横穴群出土須恵器(三点)

所在  茂原市茂原一〇一
所有  茂原市教育委員会

  茂原市押日の富士見中学校地内にあった横穴古墳から出土した須恵器で、大甕(おおがめ)・平瓶(へいべい)・壷(つぼ)の3点である。大甕は高さ四四・三センチメートル胴径四一・七センチメートルを計り、頚部は短くラッパ状に大きく開く。肩の張った丸胴で表面には平行叩き目、裏面には青海波紋(せいかいはもん)といった調整の痕がみられる。平瓶は高さ一二・三センチメートルで胴部は横倒しの卵形で中央より偏って口が付く。壷は口が欠けている小形品である。いずれも暗い青灰色を呈し、一〇〇〇度以上の高温で焼かれたもので、畿内地方からもたらされたものと思われる。
 これらの須恵器は奈良時代前後の埋葬儀礼の形態を知るのに貴重な資料である。



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